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2016年5月6日

akira's view 入山映ブログ 非営利(2)

 資本主義=金儲け=貪欲=悪、という図式は結構解りやすいらしく、少し手を加えたスローガンは今日ただいまでもよく耳にする。額に汗する生産活動とは無縁のところでぬくぬくと法外な利益を貪る金融資本、とか、企業の内部留保を厚くするだけの法人税減税、とかいうのはその変形だし、現にそういわれても仕方のない存在があったりするから話はややこしくなる。が、抽象的な議論をしばらく離れて事実関係だけをおさらいすると、市場制経済の功罪のうち、功の部分については争いようがないように思われる。

 「世のため人のため」とか、よりよい社会を作る、というのは市場制経済では達成できないようなことを言う人がいるが冗談ではない。一般市民が、豊臣秀吉よりも、徳川家康よりも快適な生活を送ることができるのは、他ならぬ資本主義下の市場制経済のお陰でなくて、誰のお陰だというのか、と市場制経済擁護論者は言うだろう。より良い品質、より高い性能の商品をより安く提供する、という市場制経済の競争原理こそが、今日の大衆消費社会を現実のものにしたことは確かに争いようのない事実だ。

 反面、罪の部分として、分配の不平等とか人為的に発生する社会的弱者という問題をこのシステムは持っている。その問題が発生するのは基本的な前提そのものに原因があり、部分的改良や修整ではことは解決しない、として、市場原理の多くを否定した計画経済、あるいは社会主義経済が半世紀にわたる実験の末に、生活水準向上レースで惨敗してほとんど消え失せた。わづかに改革解放で資本主義のエレメントを取り入れた中国経済が例外的発展を見せているが、それとても世界的市場制経済の中に統合された結果にすぎない、と見ることも可能だ。

 してみると、市場制経済の罪の部分をなんとかするためには、社会主義によって代表される「大きな政府」はうまくゆかない。といって、政府を小さくして市場部分を拡大したのでは、そもそもなんとかしたことにならないのは明らかだ。だから、民の力を市場原理以外の部分で活用するのでなくては問題の解決にならない。そこで市民社会、あるいは民間非営利活動が注目されることになる。ここでわざわざ「民間」非営利活動といったのには訳があって、非営利、すなわちあがった利益を構成員相互に配分してしまわない、というだけのことなら、官、すなわち役人や政府だって(ときどきお身内で食べてしまうケースもあるようだが)非営利には違いないからだ。それでは民間非営利活動というのはそんなに万能なのか、というとさにあらず、みたいなところがあって話は再びややこしくなる。続きは回を改める。

2010年 12月 21日



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