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2017年6月7日

脊椎動物の進化(8) 徳力幹彦

 より早く走るためには、地面に接地している肢の足底圧を高めなければなりません。雪や氷の上では、足底圧が低いために、滑ってしまって早く走ることができないのです。爬虫類は、先祖の魚類の名残である、長い尾を持っていたために、体の重心は後方に移動しており、現在もそうです。従って、後肢の着地時には高い足底圧がかかるのですが、前肢の着地時には、重心が後方に位置しているために、高い足底圧をかけることができません。従って、大きい推進力を出すことができないのです。そこで、爬虫類の中から、前肢を空中に保持し続けて、後肢だけの2足歩行により、歩行速度を速歩よりも高めようとする爬虫類が現れたと、私は考えています。これが、恐竜で、最初の2足歩行の脊椎動物です。このような2足歩行の爬虫類は、身体の重心が後肢の足底面上に来るように、長い尾の重さに対応する頭頚部の長さと重さを作ったと、私は考えています。そして、三畳紀初期の空気中の酸素濃度の低下に対応して、気嚢を作り、酸素吸入能力を上げました。現存する鳥類は恐竜の直接の子孫ですが、気嚢により、飛行中の効果的な酸素吸入を維持しています。



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