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2018年1月9日

肺気腫、息切れ症候群、逆流性食道炎……合併症で死に至る「ぜんそく」の恐怖-12 佐野靖之 「隠れぜんそく」-01章 発売元 株式会社 幻冬舎より

治療で改善しても、薬をやめると必ず再び悪化する

 私のクリニックには、ぜんそく歴何十年という患者がたくさんいます。もちろん、最初にぜんそくと診断されてからずっと通院し続け、真面目に治療を続けているという人もいますが、残念ながらそういう人たちのほうが少数派。多くの患者は、一度治療して症状がよくなると、「治った」と勘違いしてしまい、来院しなくなるのです。
 ぜんそくは、2、3週間治療したからといって、よくなる病気ではありません。
 ぜんそく患者の気道は、発作がないときにも慢性的にアレルギー性の炎症を起こしていることがわかっています。回復したかに思えるときでも気道の炎症は治まっておらず、気道の細胞が剥がれていたり、粘膜がむくんでいたり、炎症細胞の浸潤が見られたりと、荒れた状態のまま。気道はいまだ狭まっており、過敏性も増しています。そのような状態のときに、アレルゲンにさらされたり、疲労やストレスがたまったり、風邪などの感染症にかかると、それらが刺激となって再び発作が起こります。気道の炎症がきちんと鎮まらず不完全な状態のままで発作を繰り返していると、炎症はさらにひどくなり、気道の内腔が狭くなったまま戻らなくなるのです。過敏性もますます高まっているので、わずかな刺激でも発作が出やすくなり、発作の度合いもひどくなります。こうした流れを「気道のリモデリング」といいます。これを繰り返すと、一度目の発作より二度目が、二度目の発作より三度目と回を追うごとに発作がひどくなってしまいます。



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