2018年7月3日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-11 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
吸入ステロイド薬は吸い方を間違えると意味がない
よくある間違いは、「ただ吸えばいいのだろう」と簡単に吸ってしまうこと。肺の奥の気管支は1本が2本に、4本に、8本に、16本にと倍々に増えていって最終的には1万本程度に分かれます。その1本1本にまで吸入ステロイドが行き渡らないと治療にはならないわけで、スッと簡単に短く吸うのでは、長い気道に沿って薬が奥に行き渡ることはありません。吸入ステロイドが粉のタイプなら、強く深く。エアタイプなら吸入補助器を使ってゆっくり深く。診療時に何度か練習をして、しっかりと肺の奥まで届いた感覚を覚えて、自宅でも実践できるようにします。
吸入のミスを防ぐためにその状態をチェックしたり、粉剤の場合には、練習する「トレーナー」という器具もあります。また、エア剤の場合は「エアロチャンバー」などの吸入補助器があり、これらを使うと正しく吸入できているかどうかがわかりますが、医師に相談をして使ってみるのも一考です。