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2018年7月26日

依存する(3) 佐藤東洋麿(横浜市)

 ノルウェーの女性捜査官ミア・クリューゲルもまた苛酷な体験のあと、依存する。サミュエル・ビョルク『オスロ警察殺人捜査課』(中谷友紀子訳)の主役の一人であるが、鎮静剤・精神安定剤・睡眠剤……色とりどりの錠剤を掌に盛り一気に水で流しこむ。そしてシャワーも浴びず異臭だけを身にまとって寝崩れる。
 しかしこの本の冒頭にあるこうした記述を見て、ミステリーに馴染んだ読者はすぐ分かる。登場人物紹介のまっ先に出てくるミアがこのままである筈が無い。これでは複雑な犯罪を解明できないではないか。すぐ明晰にもどる。そのとおり、ミアに思いを寄せる中年の、妻に逃げられた捜査班のリーダー、ムンクが最新の事件のファイルを持ってミアの隠れ家を探しあてて来たとき、彼女は蘇る。
 ランドセルを背負った幼い少女が木につり下げられた二十五枚の現場写真の、少女の爪に「Ⅰ」と書かれている、するとⅡ、Ⅲ、Ⅳの連続被害者が出るのではないか? ムンクはその発想に驚き怖れる。「ミア、頼む、また一緒に仕事をしてくれ」



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