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2018年12月14日

フランスの拝情詩人たち(1)ローベルト・ワルザァ 板倉靹音訳

 この小品でぼくがあつかう三人の詩人は、彼らの国では高い名声を博しているが、ぼくは多分それほど大げさな感激口調では語らないであろう。彼らのうち、最初の人の名はボードレール。この人については、外貌は牧師のようで、おそろしく賢明であると同時にしかし非常に気立てのいい人ででもあったろうとぼくは信じたい。
 彼につづくのがヴェルレーヌであり、ポールという名前であった。ぼくの学校友達の一人もポールといったが、彼は片方の眼がガラスであった。自然からゆだねられた眼が、デュフール街で石投げをしていたとき、不幸にもとび出してしまったからである。ぼくのかっての学校友達はひどく愛らしい、知性を告げる頭をしていて、その頭がやわらかな髪におおわれていたが、ヴェルレーヌはすでに早くから禿頭でほっつき歩いていたと思われる。ボードレールはいたく威厳を誇示しながら罪を犯したが、ヴェルレーヌはこれに反して、愛すべき、宥しを乞うている頽廃そのもののように見えた。後者はとても正直で、良心的であったので、自分自身の欠陥を告白したばかりか、ボードレールのあやまちまでも、すすんで、言い得べくば、うやうやしく引き受けようと心を労しているのである。何という善良な、やさしい性格であろう。



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